いまの墓じまいは移し先選びがポイント
お墓の話というと、以前は「建てるかどうか」が中心でした。ところが今は、墓じまいの現在の状況を見ても、関心の軸が少し変わっています。いま多いのは、お墓をなくすことそのものより、無理なく守れる形へ移すことです。背景には、遠方のお墓、継ぐ人の不在、管理の負担といった、日々の暮らしに近い事情があります。
墓じまいが増えているのは、供養を軽くしたいからではない
厚生労働省の衛生行政報告例では、改葬(かいそう)の件数は2022年度で15万1,076件、2023年度で16万6,886件と、近年高い水準で推移しています。数字だけを見ると急な変化に見えますが、実際には「親が高齢になった」「自分たちが通えない」「子へ負担を残したくない」といった現実的な理由が積み重なった結果です。墓じまいの現在の状況は、供養をやめる流れというより、守り方を見直す流れと考えた方が実態に近いでしょう。
困りやすいのは、費用よりも順番の整理です
2024年の調査では、墓じまいを考える理由の上位は「お墓が遠方にある」「継承者がいない」でした。また、進める中で大変だったこととして「新しい納骨先を見つけること」「役所手続き」「解体業者選び」が挙がっています。つまり、つまずきやすいのは金額だけではなく、誰に相談し、何から決めるかという順番です。親族への説明を後回しにすると、話がこじれやすい点も見落とせません。
墓じまいの先には、継承不要の選択肢が広がっている
いまの墓じまいの現在の状況を語るうえで外せないのが、移し先の変化です。近年のお墓選びでは、樹木葬が大きな割合を占め、選ぶ理由として「継承者不要」や「金額」が重視されています。墓じまいは、昔のお墓を閉じる作業ではなく、次の世代が守りやすい受け皿へつなぐ作業になりつつあります。だからこそ、撤去費用だけを見るのではなく、改葬先の管理方法やお参りのしやすさまで一緒に比べる視点が大切です。
まとめ
墓じまいの現在の状況は、「墓をなくす」話ではなく、「無理なく続く供養へ組み替える」話に変わっています。親族の合意、改葬先、費用の総額、手続きの順番。この4つを先に整えるだけでも、迷い方はかなり変わります。まずは撤去ではなく、移し先から考えるのが失敗を減らす近道です。

